過去ログ 2004年05月

 3日のアジア市場では、東京市場が休場のため薄商い。 ドル円は、日中110.25から110.45での揉み合いとなった後、夕方にユーロ円などクロス円のポジション調整とみられる売りが強まったこともあり、引け際に109.96まで下落、ユーロ円は132.30から131.56まで下落した。 ユーロドルも、ユーロ円につられる形から1.1994から1.1958までじり安となった。欧州市場では、対欧州通貨でのドル買いが一時優勢になり、ユーロドルは1.1943まで下落、ドル円は110.20まで反発した。今日はロンドン市場もバンクホリデーのため休場だが、クロス円が軟調な展開から、ユーロ円は131.35まで下落。 ドル円も投げ売りが若干出て、ドル円は一時109.81まで下落した。ニューヨーク市場オープン後は、ドル買い気味から、アジア・ロンドンの反動からクロス円の買い戻しが出ている模様。 特に米国の4月ISM製造業景気指数が62.4と予想の63からは悪化した数字で発表され一時ユーロドルは、1.1980−85まで買い戻されたが、価格指数が3月の86から88へ上昇しておりインフレ懸念を引き続き材料視する形から、ユーロドルは、1.1918−23まで下落した。 しかしドル円が110.68−73まで上昇したため、ユーロ円は132円台を回復した。 ユーロドルは1.1920に大きなビッドがあり、下値をホールドされている模様。

 4日のアジア市場は、東京市場が引き続き休場の中、材料難からドル円ではレンジ的取引となったが、相対的に欧州通貨が上昇を強め、クロス円はしっかりとした展開となった。ドル円は、110.08から110.50、ユーロドルは、1.1932から1.1972まで上昇して、ユーロ円も131.55から132.20まで上昇した。ロンドン市場に入って、英4月の製造業購買担当者景気指数が55.1と予想の54を上回る数字になったことをきっかけにポンドが大きく買われる展開。 ポンドドルが1.78台へ載せて、1.7950付近まで上昇すると、ユーロもポンドに連れ高となり、ユーロドルは1.2025超えからテクニカル的なユーロ買いがシステム系ファンドなどから強まり、一時1.2077まで上昇した。 ユーロ円も中東筋などの買いが入って132.88まで上昇すると、ドル円もつられる形から、一時110.61まで上昇した後、ドル売りが勝る状態になりユーロ円が利食いで132.40台まで下落すると、ドル円も110円を割れて、一時109.55−60まで下落した。NY市場では、FOMCを控えて神経質な地合いのなか、ロンドン市場からのドルが利食い売りが継続した。米3月の製造業新規受注は、予想の2.3%を大幅に上回り前月比4.3%増加したが、ドル買いに群がることはなかった。市場関係者の間に、今年後半の金利上昇に対して、やや期待が強すぎるのではないかとの懸念が台頭している。今回のFOMCでは、ほとんどのエコノミストが、金利が46年ぶり低水準で据え置かれるとみているため、FOMCの発表を控えて、投資家らはドル売りを行っている。一方、今週英中銀や豪中銀は、金利を引き上げると見られている。 また、債券市場では、金利上昇という材料はかなり織り込まれており、現状はダウンサイドのリスクが懸念されている。ユーロドルは一時1.2105近辺まで上昇して、ユーロ円も132.90−95まで上昇後、132円後半で揉み合いとなった。 焦点のFOMCでは、金利据え置きが決まり「インフレとデフレのリスクバランスは均衡している」との声明内容を受けて、一時ドル売りが強まり、ユーロドルが1.2116をつけ、ドル円は109.60近辺まで下落したが、ユーロ円では、あまり大きな動向とはならなかった。

 5日のアジア市場は、全体的に小動き。 取引レンジは、ドル円が109.31−109.57、ユーロドルは1.2105から1.2145、ユーロ円は、132.46−132.87。 ポンドは、一部M&A絡みの思惑からポンド売りがみられた模様。 ロンドン市場では、米FOMCが昨日終了したことで、一旦ポジション調整とみられるドル売りが優勢になって、一時ユーロドルは1.2180まで上昇したが、その後はモデル系ファンドらのポンド売りをきっかけに、総じてクロス円で売りが強まる展開。 ユーロドルは、1.2100−05まで下落して、ドル円は、108.30まで下落するとユーロ円も131.50まで下落した。しかし、NY市場では、総じてクロス円が買い戻される展開。 特に米供給管理協会(ISM)が発表した4月の非製造業景気指数が市場の予想を大幅に上回ったにも関わらず、ドルの買い戻しは限定的となり、ユーロドルが1.21後半へ再度値を回復して、ドル円も108円後半に値を戻すと、ユーロ円も132円台前半へ回復してNY市場を引けている。 マーケットでは、4日のFOMCでの声明からFRBの利上げに対しての姿勢が予想よりも消極的と受け止めているようで、7日に発表になる4月の米雇用統計を前に利益確定に出ている模様。 

 6日の東京市場では、欧州市場では英中銀金融政策委員会や欧州中銀定例理事会、明日の米国4月の雇用統計を控えて、連休谷間で商いは薄かった。ただし、日経平均株価の下落や北朝鮮のミサイル実験などの噂もあり、ドル円は、108.64から109.26まで強含みに推移して、ユーロ円も132.02から132.97まで上昇。 ユーロドルは、1.2135から1.2177での範囲の動向となった。ドル円では109.10−20、ユーロ円では133.00のストップ・ロスを狙った円売り仕掛けが米系から入った模様。ロンドン市場でも東京市場の流れを引き継ぎ、ドル円、ユーロ円がストップロスの買いを中心に上昇した。ドル円は、109.75まで上昇して、ユーロ円も133円ちょうどのストップをつけて、133.28まで上昇した。ユーロドルは、1.2128まで下落した。注目の英中銀は、政策金利を0.25%引き上げてポンド買いが優勢。声明では「英インフレ圧力はポンド高にもかかわらず高まる見通し」発表され、ポンドドルは1.7930−35から1.7970−75まで上昇したが、値を維持できずに、1.7910付近まで反落後、1.79ミドルで小康状態。ユーロドルはBOEの利上げで、ユーロポンド売りが出たことから、1.21前半に弱含んでやはり小康状態。ドル円はユーロ円が133.28から132円ミドルに下落したことから、高値の109.75から109円前半に小緩んでいる。その後、欧州中央銀行(ECB)理事会は、政策金利の据え置き決定を発表したが、特にインパクトなし。トリシェECB総裁は「すべての選択肢を残しておく、バイアスはない」と述べ、金利に関して中立的な立場を示した。NY市場では、米新規失業保険申請件数が31.5万件と予想の34万件を大幅に下回りドル買いが強まる展開。ユーロドルは、1.2060−65まで下落、ドル円は109.85近辺の高値をつけたが、ユーロ円では、132.10−15まで下落後、132.80近辺まで上昇後132円ミドルで引けている。グリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長は、シカゴ地区連銀主催の会合で講演後、聴衆の質問に応じ、「今後中国経済がより持続可能なペースに減速し、商品価格の高騰にも歯止めがかかる」との認識を示した。 尚この日の金価格は、388.40ドルと前日終値比5.40ドル安で終了している。

 7日の東京市場では、日経平均株価下落を嫌気した円売りがモデル系ファンド筋から出ていた模様で、邦銀筋からも大口のドル円、ユーロ円の買いが出たことで、ドル円は110.39まで上昇した。 また、福田官房長官の辞任が伝えられると政局不安を材料視して、更に110.69まで上昇するとユーロ円もロンドン・フィキシングで、大口のユーロ買いが出るとの噂で132.45から133.35まで上昇した。一方ユーロドルは1.2085から1.2029まで軟調推移した。ロンドン市場でも、全般的にクロス円の買いがドル円、欧州通貨を引っ張る形となり、ユーロ円は133.68まで上昇するとドル円も110.76まで上昇、ユーロドルも1.2086まで上昇した。 また、米雇用統計発表前に、ショート・カバーからユーロドルは一時1.2148まで上昇して、ドル円も110.02まで下落すると、ユーロ円も利食いから133円丁度近辺へ下落した。ところが、NY市場では4月の米国雇用統計が失業率が5.6%と前回の5.7%より若干の改善、非農業部門就業者数が+28.8万人と予想を大幅に上回る数字となり、相場の方向感が決着。 米国の金利先高感を蒸し返して、ドルは主要通貨に対して大きく上昇した。ドル円は、112.50まで上昇。 ユーロドルは、1.8777まで下落するが、ユーロ円は133円75を高値に133円台で堅調にNY市場を引けた。

昨日は、先週金曜日の米雇用統計の結果を引きずる相場となった。 特に目立った動きとしては、ドル円相場が米系ファンドからの買いで、本邦大手輸出企業の売りを飲み込み、遂に112.73−113.55の昨年9月のドバイG7直後に空けたチャート上のGapを埋めて、NYで114円台まで上昇した。 特に中国の景気減速への懸念や在日米大使館を狙ったテロの噂などから、米国の株安をベースに日経平均株価が500円を越える下落となり、これが更に円売りを加速して、クロス円相場でも総じて円売りの流れが継続。 ユーロ円はアジアでは134.15まで上昇。 その後海外では、135円20−25近辺まで上値を拡大した。 既にマーケットは、早ければ6月、遅くとも8月の利上げに傾いている。また、昨日はNY株式もこの影響から1万ドルの大台を割り込み、127ドル近く下落したが、更に安い日経平均株価を睨んで、ドル円相場にはほとんど影響を与えず、ユーロドル相場やポンドドル相場では、クロス円での買いニーズから、1.18台、1.77台を維持した。

 11日の東京市場では、日経平均株価が本日は比較的堅調に推移したことから、ドル円やクロス円では利食いの売りが先行する形。また、信託銀行や輸出企業のドル売りも出たためドル円は、113.85から113.14までじり安となった。ユーロ円は134.87から134.31まで下落、ユーロドルは1.1826から1.1891まで上昇した。 ロンドン市場では、イギリスの3月鉱工業生産が前月比ー0.3%と予想の+0.6%から予想外の悪い数字となり、ポンド売りが急速に強まり、ポンドドルは1.77割れでストップロスの売りを巻き込み一時1.7545まで急落となった。この影響でユーロドルも1.1870から1.1812まで下落して、ドル円では本邦輸出企業の113.50以降での断続的なドル売りで頭の重い展開から、ユーロ円では134.09まで下落した。NY市場でも、特に経済指標の発表がないことからポンドドルの軟調な展開が継続。 ポンドドルが一時1.7538まで下落し、ユーロドルも1.1800でストップロスをヒットして一時1.1789まで下落した。この影響からユーロ円も134.05まで下落したが、ドル円は113.85まで上昇して、その後のユーロドルの反発から、ユーロドルが1.18後半へ反発するとユーロ円では134円ミドルでの揉み合いに終始した。 

 12日の東京市場では、日経平均株価が上昇からスタートして堅調な展開から、ドル円では本邦輸出企業のドル売りや短期筋のポジション調整の売りが強まり朝方の113円台から112.57まで下落したが、その後はほぼ112.50から113.00での揉み合いとなった。 しかし、欧州勢参入後は、下値のストップ・ロスを狙う動きから、ドル円は112.43まで下落したが、このレベルからは資本筋やアジア系からの買いニーズから、反発となった。 また、ユーロ円も134円前半から、133.29まで下落した。ユーロドルは、1.1835から1.1885での動き。ロンドン市場に入って、イギリスの3月貿易赤字が40.5億ポンドに縮小したことから、ポンド買いが強まり、ポンドドルは、1.7640から1.7740−45へ上昇。 これを受けてユーロドルが上昇を強め、ユーロ円が堅調に上昇したことから、ドル円も113円台を回復した。 ユーロドルは、1.1900でストップ・ロスをつけて1.19台へ上昇。 ユーロ円も134円台乗せのところでファンド筋の買いが強まり、一時134.38まで上昇した。NY市場では、3月の米貿易赤字が石油価格の高騰などで予想以上に拡大したことを嫌気して、ドル売り相場が継続した。 米商務省が12日に発表した3月の貿易赤字は、459億6000万ドルとなり、前月から拡大。エコノミストが予想していた426億ドルも上回った。 ユーロドルは、一時1.1940近辺まで上昇。 ユーロ円も135円近辺まで上昇して、ドル円は一時113.45−50まで上昇したが、その後は利食いに押される展開となり、ユーロ円は134円ミドル、ドル円は113円近辺でNY市場を終了した。

 13日の東京市場では、朝方はドル円の下値のストップ・ロスを狙った仕掛けから、112.82まで下落する局面もあったが、その後は、日経平均株価の大幅下落を受けて、海外投資家からとみられるユーロ円買いが活発化。 午前中ドル円は113.90まで上昇、ユーロ円も135.85−90まで上昇した。 ただし、ユーロドルは、1.19前半で小動き。 しかし午後になって、3月の日本の機械受注が予想を大きく下回る内容であったことから一段と円売りが強まり、一気に114.18まで上昇したが、その後はユーロ円が利食いに押されて135.00近辺に下落したことから、ドル円ユーロドルとも連れ安となり、113円後半、1.18ミドルへ下落した。 ロンドン市場に入っても、東京市場からの円売りの流れが継続され、同時にこの日発表される米国経済指標に対する期待感からのドル買いもあって、ドル円は一時114.42まで上昇、ユーロ円も再度135.65−70まで上昇したが、ユーロドルは1.1810近辺まで下落した。 ドル円では114.50から115.00ではオプション防戦売りがある模様で、更なる上値トライに警戒感があるようで、クロス円は総じて揉み合いとなった。 NY市場では、この日発表された4月の卸売物価指数が前月比0.7%の上昇となり、予想の0.3%の上昇を上回り、米小売売上高は前月比0.5%の減少(エコノミスト予想は0.2%の減少)、新規失業保険申請件数は33万1000件(同32万1000件)となり、3つの経済指標が米国経済の強さを示したことから、夏の利上げを確認するかたちとなり、ドルはアジアからの上昇レベルを維持して堅調な展開となった。一時ユーロドルは、1.1770−75まで下落、ユーロ円も134.60−70まで急落したが、その後はユーロドルは、1.18台前半、ユーロ円も135円前半を回復してNY市場を引けている。

 14日の東京市場では、ドルは引き続き堅調な展開であったが、日経平均株価が上昇したことを背景に、信託銀行などからの売りに押されて114.28まで下落。その後、日経平均株価の失速や海外ファンド筋や年金絡みの買いの活発化から114.80まで上昇したが、115円手前のノック・アウト・オプションに絡む防戦売りや利食いに押されて、115円を付けることはできなかった。また小泉首相の国民年金未加入の一報が流れたことも円売り材料となった。一方欧州通貨は比較的レンジ気味となり、ユーロドルは、1.1780から1.1839での推移。またこの動きからは、クロス円は総じて日中は堅調であったが、夕方にはポジション調整から下落した。 ユーロ円は、134.82から135.58での推移となった。 ロンドン市場では、ドル円は、引き続き115円を伺う展開から、一時114.85まで上昇、ユーロドルは、東京と同様、1.79を挟んだ動向となり、クロス円でも総じてレンジ的動向は維持された。 NY市場では、ドルが乱高下。 まず4月の米消費者物価指数が前月比+0.2%と発表され、予想より悪い数字なりドルが売られ、ドル円は113.95の安値、ユーロドルは、1.1865−70へ上昇、その後4月の米鉱工業生産指数は+0.8%と強い数字から、ドルの買戻しでドル円は114.65−70まで上昇、ユーロドルは1.1795−00まで下落したが、結局最後は、5月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値が94.2と予想より悪化して、最終的にユーロドルは1.1903の高値をつけて、1.18後半での堅調な推移。ドル円は、114円前半に反落、ユーロ円では、135円後半でNY市場を引けている。

 17日の東京市場では、日経平均株価が軟調に推移したため、ドル円は一時114.65まで上昇したが、米債利払いに関係したと思われるドル売りのフローが観測され軟調地合。 特に114円を下回った後は短期筋のポジションカットと見られるドル売りが出た模様から、ドル円は一旦113円ミドルまで下落した。この影響でユーロ円も一時136.20−25まで上昇後、135.35−40まで下落した。 日経平均の大引けは、344.58円安の10,505.05円、マザーズ、ヘラクレスも全面安、値上がりわずか1銘柄、JASDAQ株式市場では、処分売りが止まらずストップ安続出となったが、ドル円相場はこれに反応せずに、その後はイラク統治評議会議長がバグダットで爆死したとの報道を受けてユーロドルを筆頭にドル売りが強まる展開となったことから、夕方には113.07まで下落した。 ユーロドルは1.1879から1.2062まで上昇して、ユーロ円も夕方には136.85−90まで上昇した。ポンドドルは1.7572から1.7725、オージードルは、0.6893から0.6965での推移となった。ロンドンでも、東京の地合を引き継ぎドル円は軟調な展開。113円台前半で短期ロングポジションをカットしたプレーヤーが散見されたため、ドル円は反発の鈍い展開が続いたが、一方欧州通貨はイラク問題から堅調な展開からユーロ円が躍進。 東京の高値から利食いに135.90−95まで下落したが、ここを下値に再度上昇に転じて136円後半へ上昇するとドル円も113.85−90まで上昇した。 ユーロドルは1.2000から1.2060近辺の動向。一部報道によると民主党代表に就任することが確実視されていた小沢氏が自身の国民年金未加入が判明、代表選挙に立候補しないことになったが、軟調地合いを続けている日本株にとってはマイナス材料となる懸念も出ているが、ドル円相場に対する影響があったのかは定かでない。NY市場では、イラクでの統治評議会議長の死亡やブレア英首相の訪問を控えたトルコのアンカラとイスタンブールで数回小規模な爆発があったことを嫌気してドルの軟調地合は継続した。 また米財務省が発表した3月の海外投資家による米証券投資金額は786億ドルの買い越と2月から減少したこともドル売りに繋がった。これは、今まで大規模なドル買い介入を行っていた日銀が介入を中止したことや、海外投資家の米株式投資が2003年10月以来初めて売り越しに転じたことなどが要因となっている模様。ユーロドルは1.2060へ上昇後、ほぼ1.1985から1.2040で堅調な地合となったが、日本株の下落がNY市場で円売りに繋がっているのか、ユーロ円が137円台へ大きく上昇して、ドル円も114円台を回復して114円ミドルまで上昇した。 また5月のニューヨーク州製造業業況指数は30.2と前月から低下したが、特に反応はなかった模様。

 18日の東京市場では、早朝2004年1−3月期の日本のGDP(一次速報値)が市場予想を大きく上回って前期比+1.4%、年率では+5.6%となり、ドル円は一時NYの終値水準である114円ミドルから、113円83へ下落したが、その後は日経平均株価が150円近い上昇を見せたものの、株価の反発はほとんど材料視されずに、押し目買い意欲とクロス円の堅調さも手伝いドル円は一時114.72の高値をつけた。また、ユーロ円は137.87−92まで上昇した。 しかし、高値圏にあるユーロ円やポンド円に内・海外勢からの利食いが見られたことや、ユーロドルや英ポンドにも利食い売りが観測されたことから、ドル円は午後には、114円前半での推移となったが、 欧州勢参入後は、いい加減115円に到達しないことを嫌気した投売りが出たのか、現在朝方の安値ゾーンを再度試す展開となっている。 またユーロ円も136円前半に下落した。なお、日経平均株価は前日比+206.04高の10,711.09での高値引けとなった。ロンドン市場では、特に材料のない中、ユーロやスイスフランに対しての豪ドル買いのフローが観測され、ドイツの5月ZEW指数が、前月の49.7から46.4に低下し、昨年7月以来の低水準となったことから、ユーロは下落した。 ドル円は東京の安値から反発気味となったが、113円ミドルでのストップ・ロスを狙う動きから、一時113.30台の安値をつけて、ロンドンで137.05−10まで回復していたユーロ円も135.80台の安値をつけた。 しかし、その後はユーロ円の売りが一服したことや、短期筋の買戻しから更なる下落とはならなかった。 NY市場では、この日材料のない中、ユーロドルでは、欧州市場の流れを引き継いで前日の上昇からテクニカルな下落となり、ドル円では、114円台を回復して、一時114.35−40へ上昇したが、ユーロ円では、136円後半で頭を重くして、136円前半で軟調にNY市場を引けいる。 

 19日の東京市場では、ドル円はNYの堅調な地合から、朝方114円を割り込み、日経平均株価が大幅続伸となったことで、午後には、113.20−30でストップをつけて135.25−30まで下落した。一部中国の金融引き締めが回避されるとの見方や原油価格の上昇が一服するとの思惑が浮上して、総じてアジア株が値を回復したこともアジア通貨の買戻しに繋がったと見られる。 ユーロ円は136.59から135.40台まで下落後、一時136.10まで値を回復するもサイド135.25−30まで下落した。 ユーロドルは1.1935−40から1.2040台まで上昇した。 ロンドン市場では、5月のイングランド銀行金融政策委員会の議事録で、政策金利を0.25%ポイント引き上げ4.25%とすることが全員一致で決まったことや0.50%の利上げの可能性に関しても議論されたことが伝わり、ポンドドルが急上昇したが、ユーロポンドの売りが散見され、ユーロドルでは、ほぼ1.1980から1.2020でのレンジ的推移となった。 一方ドル円は、112円ミドルから113.10でのレンジ的推移となり、 ユーロ円は135.10近辺の安値から135円を回復した。NY市場では、材料の薄い中、日本株の上昇を好感した円買いが強まる中、ドル円は一時112.40−45の安値、ユーロ円は135.20近辺の安値ををつけたが、その後は動意の薄い展開から反発気味の揉み合いとなった。 ユーロドルは一時1.2040台の高値をつけたが、1.20前半での小動き。ユーロ円は135円後半でNY市場を引けた。

 20日の東京市場は、朝方日銀の量的緩和政策の解除時期が早まるとの憶測が浮上して、ドル円ではインターバンク中心にショートが積み上がっていたことから、午後には日経平均株価が一時前日比200円超の下げとなったことをきっかけに、海外勢中心にショート・スクィーズとなり、ドル円は、113.20−30、113.80のストップ・ロスをつけて、113.88まで上昇した。 しかし、商い自体は薄くその後は113円ミドルで膠着感を強めた。 一方ユーロドルは、朝方の1.20台からファンド筋などからのユーロ売り、ユーロ円売りで1.1940のストップをヒットして、1.1910まで急落となった。 特に今夜の米経済指標を控えてポジション調整色が強いが、ユーロ円の売り圧力が強いことも一因と見られる。 ロンドン市場では、ユーロ円が135円のストップ・ロスをつけて134.61近辺へ下落するとドル円も113円を割り込んで、一時112.75−80まで下落した。 ユーロドルは、1.19前半で小康状態。 NY市場では、予想より悪化した米新規失業保険申請件数の発表や米フィラデルフィア地区連銀が発表した5月の製造業業況指数がかなり弱かったものの、雇用に関する部分が強かったため、米景気回復がなお着実に進んでいる、との見方につながり、瞬間的にドルが売られる局面もあったが、ロンドン市場の流れを引き継ぎドルが比較的堅調に推移した。ユーロドルは一時1.19を割り込んだ。 しかし、その後は バーナンキFRB理事の「米雇用指標、依然として労働市場にかなり緩みがあること示す」、「金融引き締めのペースは、経済状況に応じる」などの発言やポジション調整からドル高値を維持できず、ユーロドルは1.19ミドルへ戻している。 またドル円は、NYで一時113.40−45まで上昇したが、ユーロ円やポンド円のクロス円中心に売り圧力が強く、結局113円を割り込んでNY市場を引けている。ユーロ円は一時134円ミドルの安値をつけて134円後半で終了した。 

 21日の東京市場では、ドル円は、午前中に112.60−80で小動きが続いた後、昼前に中国系のドル買いにより、113.08まで上昇した。しかし、その後の買いフォローが弱く反転。日経平均株価が前日比200円超の大幅高で取引を終えたこともあり、欧州勢参入後は円買いの動きが強まった。ただし、下落のスピードはそう強くなく、111.85まで下落後は112円を挟んだ動向となった。また、ユーロ円でも、135.25まで上昇した後、134.30に下落。ユーロドルは、1.2027まで上昇した。ロンドン市場では、東京の流れを引継ぎドル円は、111.80のストップロスをつけて111.75まで下落したが、追従して大きく売る向きもなく、このレベルで下げ渋ったことから、ショートカバー気味に112円台へ上昇した。 ユーロドルもこの動きにつられる形から、1.2065まで上昇、 ユーロ円では、東京の安値の134.30から135円近辺まで上昇したが、本邦輸出企業の売りが出て、再度134円ミドルに下落した。NY市場では、米国経済指標の発表がなく、材料不足から、薄商いのなかドルが下落。ただ、今週末のサミット財務相会合を控え、トレーダーらがユーロと円に対して利益を確定する動きを強めたことから、ドルは下げを一部取り戻した。前日の米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ理事の「米利上げは段階的なものになる」と発言が未だ尾を引いており、ドルを大きく買い戻す動きは限定された。 また、サミットを控えた財務相会合では、為替に関する注目度は低くマーケットでは材料視する向きは少なかった。 ユーロドルはロンドンの高値1.2072から1.20割れに下落。 ドル円は112円台を回復したが、ユーロ円では134円ミドル近辺でNY市場を引けた。 

 24日の東京市場では、週末の財務省会合で特に為替に対する言及がなかったことから、先週NY終値から静かなスタートしたが、ドル円は、朝方ストップ・ロスをつける形から、112.50まで上昇したが、海外筋とみられるユーロ円の売りが出たことや日経平均株価の堅調スタートを受けて、ドル売りが優勢となり112.10まで下落した。しかし、本邦輸入企業らのドル買いに反転、112.50−70のストップロスをつけてお昼に112.95の高値をつけたが、その後は、ポジション調整のドル売りや113円のオプションに絡んだ為替調整から、112円ミドルへ下落してその後は保合となった。 ユーロドルは、特に材料のない中、原油価格が下落に転じたことから、1.2003からじり安となり、1.1950のストップをつけて1.1933まで下落した。ユーロ円はドル円の上昇から135.00まで買われたが、ユーロドルの下落やドル円が保合となったために、134円台半ばに反落した。ロンドン市場では、この日取り立てて材料がないことから、全体的に小動きの状態。 ドル円は112円台ミドルから後半の動向。 ユーロドルは1.19ミドル、ユーロ円は134円ミドルから後半で方向感のない動向。NY市場では、序盤は株式市場が1万ドル台へ上昇したことから、ロンドンの動向を引き継いでドルは小じっかりであったが、トリシェECB総裁の「ユーロ圏の金利は極めて良好」との発言からECBの利下げが遠のくとの思惑やアジアで下落した原油価格が、サウジアラビアの増産計画をもってしても需給のひっ迫感は解消されないとの懸念が広がり、上昇に転じたことから株式市場が1万ドル割れに下落。 大きくドルが売られる展開。特にトリシェ発言からユーロドルが1.20台を回復して、1.2020−25まで上昇すると総じてユーロクロスが上昇した。 この影響からユーロ円が大幅に135.75−80まで上昇して、ドル円はアジアから112.35−40が堅く、112円後半へ上昇した。

 25日の東京市場は、ドル円は112円後半からスタート。 5−10日から仲値不足が指摘される中、日経平均株価の下落などから、113円前半のストップ・ロスをつけて113.33まで上昇した。ユーロドルもドル売りの流れを受けて1.1985から1.2024まで上昇、特にユーロ円は、NTTのユーロ市場の債券発行からユーロ円買いが膨らむとの思惑から、昨日大幅に上昇した地合を受けて、136.14へ上昇した。その後は日経平均株価が100円を超える下落となったが、欧州勢参入後はドル円では、112.80辺りから投げが強まり、一時112.64まで下落した。ロンドン市場でも、東京からの英国債入札絡みといわれるポンドの買いが継続し、ポンドドルが1.8070まで上昇、ユーロドルも1.2089まで連れ高となった。ドル円は、112.50付近でストップロスのドル売りがみられ、112.38まで下落したが、ユーロ円は136.30まで上昇してドル円は112.86まで強含んだ。 5月の独IFO業況指数は96.1で予想通りの結果。ウェーバー独連銀総裁は「ユーロ圏の金融政策は経済回復を妨げていない、基準となる金利は極めて低く、ユーロ圏の流動性の供給は適切」などと述べて、昨日のトリシェECB総裁発言を裏付ける形となった。NY市場では、東京・ロンドン市場の流れを引き継ぎ、特に原油価格の上昇で米国への悪影響がもっとも大きいとの思惑からドルの下落が止まらない。5月米消費者信頼感指数と4月米中古住宅販売件数はともに市場予想からかけ離れた数字にならなかったため反応薄となった。 ユーロドル一時1.2128の高値まで上昇したが、ユーロ円では、ドル円が112円を割り込み、一時111.60台まで下落したことで、利食いに押されて135.20−25まで弱含んでNY市場を引けている。

 26日の東京市場では、4月の貿易黒字が予想を上回る数値となり、日経平均株価が堅調に上昇したことから、地合は円高気味。米系年金やヘッジファンドによる日本株の買い絡む円買いと本邦投信らのドル買いが散発的にみられ、午前中は111.60−95での揉み合いとなった。 しかし、午後には、昨日からのユーロやポンド買いが強まり、ユーロドルが1.2150のオプションの防戦を狙った買いで、1.2140まで上昇、ポンドドルも1.8188まで上昇すると、ドル円でも111.50割れのストップ・ロスをつけて、111.28まで下落した。 この影響で東京で135円ミドルが重かったユーロ円も134.87まで下落した。ロンドンでは、東京の流れを引き継ぎ全般的なドル売り状態が継続して、ドル円は米系証券のドル売りで111.24まで下落、ユーロドルは、1.2145まで上昇したが、オプション防戦を突破することはできなかった。 ユーロ円は134.86まで下落、ポンドドルは一時1.8200まで上昇した。NY市場では、米国4月の月耐久財受注がー2.9%、予想を大幅に下回り、新築住宅販売も2003年11月以来の低水準と予想を下回ったが、全般に動意の薄い展開となった。ユーロドルは1.2075−80から1.21前半でのレンジ気味の取引となり、ドル円は111円20台を底値にショート・カバー気味に徐々に112円方向へ反発したため、ユーロ円も135円ミドルへ反発してNY市場を引けている。また、NYダウは、昨日の大幅上昇の利食い売りでやや軟調推移な推移となったが結局前日比変わらずで終了、原油価格は、41.20ドル、金価格は388ドル台で堅調な展開となった。 

27日の東京市場は、午前中、ドル円は、仲値決定前に仲値不足の思惑や昨晩海外で111円20台が底堅かったことから、輸入筋の買いや、ユーロ円でのポーランドのサムライ債の起債絡みからの買いニーズの思惑から112.13まで上昇した。 しかし、仲値決着後は、前日比マイナスで始まった日経平均株価がプラスに転じた事や月末の米債利払い絡みの円買い観測から、直ぐに111円台へ反落。ユーロドルは1.2150のオプショントリガー伺う動向から、1.2170の高値をつけた。 また、ユーロ円は仲値にかけて125.61の高値をつけた後は、125円前半で小動き。 その後夕方には、ドル円ではアジア系の売りから111.38まで下落後、欧州勢のショート・カバーで111.70まで反発したが、下値の111.20のストップをつけて、111円前半での揉み合いとなった。ロンドン市場では、本邦信託銀行からクロス円の買いが出ていたといわれ、総じて欧州通貨の上昇から堅調な地合となった。ポンドドルは1.8275まで上昇し、ドル円も111.70付近まで反発した。しかし。イギリスの5月GFK消費者信頼感指数が悪い数値で発表され、ポンドが売られるとアジアからの欧州通貨の上昇は一服となった。 ユーロドルは1.2150挟みの展開から、 ユーロ円は一時135.80まで上昇した。 NY市場では、米国の新規失業保険申請件数は、34.5万件と予想より悪い数値、第1・四半期GDPは、4.4%で速報値4.2%を上回ったが、予想の4.5%を下回った。デフレーターは、2.6%と強い数字であったが、米国経済は良好としても、市場は米金利引き上げを既に織り込んで居り、月曜日のロンドン・NY市場の休みを前にアジア時間からのドルの買い持ちポジションを手仕舞う動きが継続した。 ユーロドルは、1.1800−1.2200のダブル・ノータッチ・オプションの上限をヒットして、一時1.2285−90の高値、ドル円は111円のストップ・ロスをヒットして、一時110.65−70の安値をつけた。 この影響からユーロ円は136.35−40のこの日の高値をつけて、135円後半で堅調に引けている。 NYダウは10,214.22と+104.33で堅調な展開、金価格は395ドル台と大幅な上昇、原油は40ドルを割り込んで引けている。

 28日の東京市場では、 ドル円は昨日NYでの引けのレベルである110円80台から、仲値の不足観測から、一時111.08まで上昇したが、その後は日本株に絡むMSCIによる、ロンドン・フィキシングでの円買いの思惑や日経平均株価が堅調推移したことを受けて、短期筋のポジション調整の売りが強まり、110.50のストップ・ロスをつけて一時110.42の安値をつけたが、ドル売り一服後は更に売り込むには警戒感が強く、110円後半で揉み合いの展開となった。 ユーロドルは1.22後半で小動き。 ユーロ円は、ドル円の売りに朝方の136.31の高値から135.46へ弱含んだ。 欧州勢参入後、ドル売りの流れからユーロドル買いが強まり、一時1.2297の高値をつけた。ロンドン市場では、ドル円は、110.40が底堅いことから、一時110.97まで反発。 ユーロドルは、今晩の米経済指標を控えて東京の高値から1.2240−45へ弱含みの展開。また、ポンドドルでも、利食いの売りが出て1.8405−10から1.8329まで下落している。 ユーロ円は、135円ミドルから136円手前でのレンジ的推移となった。NY市場では、5月米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)が市場予想よりも弱かったため、ドルは序盤、弱く始まったが、5月シカゴ地区購買部協会景気指数(季節調整済み)が市場予想よりも強く、一転連休を前にドルのショートカバーを余儀なくされた。ユーロドルは、1.22丁度近辺へ下落。 ポンドドルも1.8290台まで下落したが、NYではドル円相場が110.75−80を高値に110円丁度手前まで弱含んだことで、クロス円は総じて軟調な展開となり、ユーロ円は一時24日の安値の134.30まで急落して、その後は134円後半で終了している。

31日の東京市場では、中東筋のドル円とユーロ円の売りをきっかけに、ドル円は110.00のダブル・ノータッチ・オプションのポイントを下抜け下落。 大方の海外勢が休日にも関わらず、109.50から109.90のストップ・ロスを断続的につけて、109.42まで下落した。この影響からユーロ円は、134.40のストップ・ロスをつけて、この所下値を支えていた134.30を下回り、 133.55まで下落した。 ユーロドルも1.2250から一時1.2182まで連れ安となった。その後は、海外市場では、欧州勢や米国が休日の中、商いは薄いが徐々にドル円は下落を強め、安値109.05−10レベルまで下落して、クロス円全般が下落する中、ユーロ円も一時133.00−05の安値をつけて、133円ミドル手前で引けている。