週間Outlook                   過去ログ


2006年10月16日
 先週の外国為替市場は、週初月曜日早朝から、東京勢不在の中、北朝鮮による地下核実験実施の報道を受けて、有事のドル買いからスタートした。 その後も北朝鮮が再び核実験を行う可能性から特に円は主要通貨に対して安値圏で推移し、注目のFOMC議事録やベージュブックでは、米景気の堅調さが示され、FRB理事や連銀理事のタカ派的な数々の発言から、フィラデルフィア連銀指数に始まった米早期利下げ期待が遠のき、ドルが堅調な推移で週末を引けた。 またテクニカルな面がドルを下支えしたが、オプションの防戦がドルの上値を抑え、更なる強いドル買いには至らなかった。  
 個別では、ユーロドルは主だった指標の発表もなく、ECB高官の強く発言も空しくポジション調整が主流となったが、週末には1.25のオプションの防戦を突破し、週初の1.2614の高値からテクニカル的に重要な1.24ミドルへ迫る下落となった。 またドル円も118.83を安値に、福井日銀総裁の「年内利上げの可能性否定できない」との発言も円買い材料とならず、地政学リスクが下値を支え堅調な推移となったが、120円の数千本に及ぶオプションの防戦や輸出企業の売りが上値を抑え、上昇を119.88に限定された。 その他ポンドドルは、ギーブ英中銀総裁のタカ派的発言に関わらず、英生産者物価指数や8月貿易赤字の拡大を受けて、1.8710から1.8518まで下落、 ドルスイスも地政学リスクの高まりにも関わらず1.2771の高値まで上昇した。
 一方クロス円では総じてサイド・ライン的な揉み合い相場となったが、ユーロ円は上下を149円ロウの投資家のビッドと150円台の利食いのオファーに挟まれて、149.60から150.29と70BPの狭い範囲での動向となり、ポンド円も221.49から223.10で方向感が掴みづらい揉み合い相場となった。 一方オージー円は、ティーブンス豪準備銀行総裁の「利上げを視野に入れる」とのタカ派的発言や堅調な豪州雇用統計を受けて、88.14の安値から89.96まで強い上昇となり、その分NZ円は、77.75から79.08まで上昇も、弱い小売売上高やAUD/NZDの買いから上値を押さえ込まれた。 
  
今週米経済指標では、特別大きなものはないが、個別では見逃せない指標が多く注意しなければならない。 まず火曜日の9月米PPIと水曜日の9月米CPIは、直近原油価格の下落に落ち着いた動きとなっているが、インフレ面を見る上では引き続き重要で、また地方の景況感を見る上では、10月NY連銀指数、それからあの注目を集めたフィラデルフィア連銀景況指数の10月分が木曜日に発表される。前回3年ぶりに−0.4と落ち込んだ同指数は、今回7.0とプラスに転じる見込みだが、この辺が連銀理事が示すような一過性の落ち込みに終わるかは市場の関心を集める見込みとなりそう。 また先週699億ドルと過去最大を記録した米7月貿易収支を踏まえると、火曜日に発表される8月対米証券投資は、329億ドルと大幅に落ち込んだ前回よりは、予想が530億ドルと改善が見込まれているが、思わぬ数字となるなら注意しなければならない。
 一方ユーロ圏では、17日火曜日の10月ZEW景況感指数は、直近のECB高官の経済指標を無視したインフレ懸念をフォローアップできるかは、ユーロドルのテクニカル的に重要な1.2460前後のポイントと合わせて注目され、英国では、水曜日のBOE議事録は、11月の利上げを見通す市場の期待感を維持できるかは、ポンド相場を支えるためには重要で、水曜日のカナダ中銀政策金利の発表は、金利の据え置きが停滞したドルカナダ相場の上昇要因となるか注意しなければならない。またドル円相場では、週末にロシア代表の話として「北朝鮮は援助と安全保障と引き換えに、核計画の停止を希望している」とのニュースが聞こえているが、ライス国務長官の中国、日本、韓国の訪問と合わせて、状況が改善するかは円のテクニカル的な重要な安値となる120円突破を睨んで注目される。特にこの位置にはオプションの防戦を含めて数千本の売りがあると指摘されており、この上方ブレイクが今週の大きな焦点となる。
 その他今週も要人発言には注意が必要で、月曜日に特に集中している。 ジョージ・ソロス氏は外国人記者クラブで自著「世界秩序の崩壊」について講演するが、当然為替に対する質問が出そう。 ソロスがどういった為替の見方をするか注目される。 また、トリシェECB総裁、プール米セントルイス地区連銀総裁は今週2回登場の予定。 バーナンキ米FRB議長、イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁、バイズ米FRB理事は引き続き米経済に対する楽観論を展開すると見られ、ドルのフォローとなるか注目される。
Weeky Outlook
Weekly Range
from 2006/10/09
 to 
2006/10/13

通貨ペア

Open

High

Low

Close

ドル円

119.02

119.88

118.83

119.65

ユーロドル

1.2602

1.2614

1.2484

1.2512

ポンドドル

1.8706

1.8710

1.8518

1.8557

ドルスイス

1.2602

1.2771

1.2592

1.2732

ドルカナダ

1.1250

1.1388

1.1212

1.1380

オージードル

0.7428

0.7530

0.7417

0.7510

NZDドル

0.6586

0.6622

0.6520

0.6570

ユーロ円

149.98

150.29

149.60

149.70

ポンド円

222.62

223.10

221.49

222.02

オージー円

88.41

89.96

88.14

89.86

NZD円

78.36

79.08

77.75

78.64

カナダ円

105.71

106.25

104.98

105.12

スイス円

94.42

94.71

93.80

93.98

週間の予定
from 2006/10/16
to 2006/10/20
10/16(月)=(英) 10月ライトムーブ住宅価格 (日) 9月倒産、10月日銀金融経済月報全文、(加) 8月製造業出荷、(米) 10月NY連銀製造業景気指数、(その他)ジョージ・ソロス氏講演(FCCJ)、トリシェECB総裁講演「欧州経済をいかに改善させるか」、バーナンキ米FRB議長衛星講演「規制問題について」、プール米セントルイス地区連銀総裁講演「経済指標について」、イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁講演「米経済見通し」、国際復興開発銀行南ア・ランド建て債(発行額5600万ランド)、国際復興開発銀行NZドル建て債(発行額2億8200万NZドル)

10/17(火)=(日) 8月第3次産業活動指数、9月全国百貨店売上高、(英) 9月消費者物価指数、9月小売物価指数、(独) 10月ZEW景況感調査、(ユーロ圏) 9月消費者物価指数、8月鉱工業生産・季調済、10月ZEW景況感調査、(加) 加中銀政策金利発表、(米) 9月生産者物価指数、8月対米証券投資、9月鉱工業生産、9月設備稼働率、10月米住宅建設業者指数、(その他)スターン米ミネアポリス連銀総裁会見、バイズ米FRB理事、米銀行協会で「企業リスク管理」で講演、オランダ自治体金融公庫NZドル債(発行額5900万NZドル)、ノルウェー地方金融公社豪ドル債(発行額3300万豪ドル)

10/18(水)=(日) 日銀金融政策決定会合議事要旨(9月7・8日分)、8月景気動向調査・改訂値、(英) BOE議事録、9月失業率、9月失業保険申請件数、(ユーロ圏) 8月貿易収支、(加) 9月景気先行指数、(米) 9月消費者物価指数、9月住宅着工件数、9月建設許可件数、米週間原油在庫、(その他)トリシェECB総裁とオーストリア中銀のリープシャー総裁、欧州の将来に関する討論会に参加

10/19(木)=(豪)RBA月報、(日) 週間対外及び対内証券売買契約等の状況、(独) 9月生産者物価指数、(スイス) 9月貿易収支、(仏) 8月経常収支、(英) 9月小売売上高指数、9月マネーサプライM4・速報、(加)加8月国際証券取引高、8月卸売売上高、(米) 週間新規失業保険申請件数、9月景気先行指数、10月フィラデルフィア連銀景況指数、(その他)カナダ中銀金融政策報告及び記者会見、ECB理事会(非金融政策決定理事会)、米財務省インフレ連動5年債入札条件、福井日銀総裁、日銀支店長会議にて挨拶、プール米セントルイス地区連銀総裁、金融政策に関する会合で挨拶、スウェーデン地方金融公社米ドル債(発行額未定)、スウェーデン地方金融公社ユーロ債(発行額未定)

10/20(金)=(日) 8月全産業活動指数、(豪) 第3四半期輸出物価指数、第3四半期輸入物価指数、(英) 第3四半期GDP、(加) 9月消費者物価指数、(その他)福井日銀総裁、全国信用組合大会にて挨拶

2006年09月25日

    先週の外国為替市場は、重要な材料が多くドルは乱高下気味の展開となったが、特に重要なG7とFOMCというイベントをこなして、急速に高まった米金利先安感から、ドルは軟調な引けとなった。 週初はG7で、欧州勢が対ユーロでの円安懸念を表明したことから、早朝のウェリントン市場から円が急騰したが、基本的にG7声明文における為替に関する言及は、前回と全く変わっておらず、付属文もなかったことから、バーゲン・ハンティング的な円の売り戻しが進んだ。 また米経済指標では、第2四半期経常収支が悪化、7月対米証券投資は、2005年5月以来に最小の数値となり、予想を下回るコアPPIや低調な住宅着工件数にもドルは売られず、FOMCでの、金利の据置は織り込み済みとしても、利上げの可能性が完全に払拭されなかったことから、逆にドルが買い戻されるというおかしな状況が続いた。しかしながら、木曜日に発表された9月フィラデルフィア連銀指数は、サプライズ的に3年ぶりの低水準となり、米金利の先安感が急速に高まってことで、ドルは安値圏で引ける結果となった。

 今週の外国為替市場の注目は、なんと言っても先週急速に高まった米金利先安感を裏付ける経済指標が続くかが最大の注目となる。 特に今週の米経済指標は、個々はあまり重要でないとしても、消費大国である米経済を支える8月の住宅関連の指数や、第2四半期GDP・改定値、 第2四半期個人消費・改定値、8月個人所得・支出と景気の基幹を担う指標が多く、大いに注意しなければならない。 また先週のフィラデルフィア連銀指数に見られるような地方経済の状況を示す、9月リッチモンド連銀製造業指数、9月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値、9月シカゴ購買部協会景気指数などにも特別の注目が集まると見られ、 気の抜けない週となりそうだ。 また金利の先行きのヒントとしては、ダラス地区連銀フィッシャー総裁、NY連銀のガイトナー総裁、バイズFRB理事、クロズナーFRB理事、カンザスシティー地区連銀ホーニグ総裁、ミネハン米ボストン地区連銀総裁、フィラデルフィア地区連銀プロッサー総裁、セントルイス地区連銀プール総裁等多くの連銀理事・総裁の講演や発言が控え、金利や景気に対してどういった見方を示すかは重要となりそう。 特に普段あまり注目を集めることのないフィラデルフィア地区連銀総裁の発言では、大きな関心を集めると見られる。 

Weeky Outlook
Weekly Range
from 2006/09/18
 to 
2006/09/22

通貨ペア

Open

High

Low

Close

ドル円

117.12

118.29

116.08

116.55

ユーロドル

1.2666

1.2831

1.2632

1.2785

ポンドドル

1.8812

1.9063

1.8737

1.9004

ドルスイス

1.2555

1.2586

1.2321

1.2362

ドルカナダ

1.1172

1.1297

1.1121

1.1176

オージードル

0.7531

0.7579

0.7491

0.7503

NZDドル

0.6624

0.6660

0.6547

0.6618

ユーロ円

148.06

150.26

148.06

149.00

ポンド円

220.53

222.27

220.24

221.48

オージー円

88.31

89.24

87.28

87.46

NZD円

77.85

78.68

76.41

77.15

カナダ円

104.86

105.80

103.67

104.31

スイス円

93.43

94.55

93.15

94.31

週間の予定
from 2006/09/25
to 2006/09/29
9/25(月)=(日)6月末国債および借入金並びに政府保証債務現在高、(独) 9月消費者物価指数・速報、(米) 8月中古住宅販売件数、米財務省2・5年債入札条件、財務省3・6カ月物TB週間定例入札、(その他)米ダラス地区連銀フィッシャー総裁が講演「米国とメキシコ経済の現況」、NY連銀のガイトナー総裁、コロンビア大学のフォーラムに参加

9/26(火)=(NZ) 8月貿易収支、(日) 8月企業向けサービス価格指数、(独) 8月輸入物価指数、9月IFO景況指数、(米) 9月消費者信頼感指数、9月リッチモンド連銀製造業指数、(その他)リーカネン・フィンランド中銀総裁、記者会見、バイズFRB理事が上院銀行委員会の公聴会で証言「新BIS規制」について、プライベートエクイティ・アナリストの年次会議(NY27日まで)、トヨタ・モーター・クレジット ・コーポ米ドル債(発行額4億3000万ドル)

9/27(水)=(独) 10月GFK消費者信頼感調査、(ユーロ圏) 8月マネーサプライM3・季調済、(英) 第2四半期GDP、第2四半期経常収支、(スイス) 9月KOF先行指数、(米) 米住宅ローン申請指数、8月耐久財受注、8月新築住宅販売件数、8月米住宅着工許可件数改定値、米財務省2年債入札、(その他)ノルゲバンク(ノルウェー中銀)政策金利公表、独5年債入札(新発;80億ユーロ)、英30年インフレ連動債(6億7500万ポンド)、クロズナーFRB理事、「生産性」で講演、米カンザスシティー地区連銀ホーニグ総裁が講演「金融政策と経済見通し」 

9/28(木)=(日) 週間対外及び対内証券売買契約等の状況、8月大型小売店販売額・速報、8月小売業販売額・速報、(仏) 第2四半期GDP、(独) 9月失業率、9月失業者数、(加) 8月鉱工業製品価格、(米) 第2四半期GDP・改定値、第2四半期個人消費・改定値、週間新規失業保険申請件数、8月米求人広告指数、米財務省5年債入札、(その他)岩田日銀副総裁、講演(ユーロマネー日本資本市場コングレスにて)、ミネハン米ボストン地区連銀総裁・シュタルクECB理事ポーランド中銀主催の会合で講演(ワルシャワ)、トゥンペル=グゲレルECB理事、「金融システムの近代化と経済成長」について講演、米フィラデルフィア地区連銀プロッサー総裁が講演、Norinchukin Finance (Cayman) ユーロ円期限付劣後債(発行額500億)、Norinchukin Finance (Cayman) 英ポンド建て期限付劣後債(発行額6.5億ポンド)、Norinchukin Finance (Cayman) ユーロ建て期限付劣後債(発行額10億ユーロ)、アフラック・ユーロ円建固定利付社債(発行額350億円)、スウェーデン輸出信用銀行豪ドル建て債(4800万豪ドル)、国際復興開発銀行豪ドル建て債(発行額900万豪ドル)、UBS銀行NZドル建て債(1600万NZドル)、オーストラリア・コモンウェルス銀行円建早期償還条項付利率SUP型社債(発行額150億円)

9/29(金)=(NZ) 8月住宅建設許可、第2四半期GDP、(日) 8月失業率、8月有効求人倍率、8月全世帯家計調査・消費支出、8月全国消費者物価指数、9月東京都区部消費者物価指数、8月鉱工業生産・速報、外国為替平衡操作の実施状況、(独) 8月小売売上高指数、(仏) 8月失業率、8月失業者数、9月消費者信頼感指数、8月生産者物価指数、(英) 8月マネーサプライM4・確報、8月消費者信用残高、9月GFK消費者信頼感調査、(ユーロ圏) 9月消費者物価指数・速報、(加) 7月GDP、(米) 8月個人所得、8月個人支出、8月PCEデフレータ、9月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値、9月シカゴ購買部協会景気指数、(その他)ウェーバー独連銀総裁、「欧州に於ける金融システムの近代化と経済成長」について講演、米セントルイス地区連銀プール総裁、「指標への依存」で講演

2006年09月18日
 先週の外国為替市場は、シンガポールG7を控えて神経質な展開となったが、相対的にはドルが堅調な推移でNY市場を引けた。米国経済指標では、米7月貿易収支が過去最大となる680億ドルの赤字となったにも関わらず、全くドルが売り込まれず、米CPIも比較的落ち着いた数字で、その他9月NY連銀製造業景気指数や8月鉱工業生産もさえない数字となったが、週末にはホーニグ米カンザスシティー連銀総裁の強気発言などから、ドルが買い戻されるという奇妙の展開が続いた。 ユーロドルは、トリシェECB総裁の利上げ示唆発言を受けて一時1.2754まで買い戻される局面もあったが、総じてユーロ買い持ちのポジション調整の戻り売り圧力が強く、週末にはブルトン・仏経済財務産業相の「ユーロは十分に評価された水準」との発言を受けて、 1.2631まで下落して1.26台で引けている。 ポンドドルは、英8月消費者物価指数が予想を上回ったが、英7月貿易赤字や8月生産者物価指数の低下を受けて、揉み合い気味の相場展開となったが、ポンドクロスの買いが総じて下値を支えた。 またドル円では、日本の第2四半期GDP2次速報値、7月機械受注や第3次産業活動指数が予想より悪く、総じて日本経済の回復が鈍いことを示唆する内容となったことや、海外勢中心にG7では、円安が話題になっても特別の措置が下されることはないとの見方が強く、ドル円の下値を支え、117円前半が底堅く、一方上値では、ポールソン米財務長官の中国人民元柔軟化要請発言や周中国人民銀行総裁の「人民元相場の変動幅は遅かれ早かれ拡大」との発言等、 G7に対するリスクや中国元の切り上げ問題が上値を抑え、118.15を高値に更に上値を拡大するには至らなかった。 その他ドルスイスは、米同時テロ5年目に対する警戒感やスイス中銀の利上げリスクが上値を抑えるも、スイス中銀理事が景気減速を示唆した事やスイス中銀の利上げ実施によるアク抜け感から、クロス中心にスイスフランの軟調な展開が継続して、 週末には1.2623まで上昇した。 またNZ準備銀行は金利政策を据え置いたが、「これ以上の引締めが必要ないとの確信が持てなくなっている」、「ニュージーランドの経済は予想以上に強い」と声明されたことで、NZDドル相場は急上昇となり、維持0.6651の高値をつけ、 NZD円も78.28の高値、 AUD/NZDは、1.1323の安値まで下落した。
 一方クロス円は、総じて円揉み合いと欧州通貨の軟調を受けて、直近高値圏からは調整的な動向となった。 ユーロ円は147.76から149.87で乱高下となり、 ポンド円も217円ミドルを支えた相場からは堅調な展開も、上値は222.15でCapされた。 またオージー円は、金価格の600ドルを割れを受けて、総じて88円台での保合相場となった。 またスイス円がドルスイスの堅調を受けて、 94.76から軟調に93.18まで下落した。 
 今週の注目は何といっても、週末のG7の結果に対して、週初の市場がどういった反応を示すかだろう。 内容的には、為替に関して特に声明の内容が前回と全く変わらず、付属文もなかったことから、確かに最近のユーロ高/円安について、欧州勢の不満はあるようだが、失望感が出易くなると見られる。 ただし、こういった内容は、先週の相場に大分織り込まれた部分もあり、今週ポールソン米財務長官が21日まで訪中を予定していることから、G7後であるが、中国元の切り上げに更に踏み込んだ転換が行なわれるとの思惑もあり、一過性の円売りにも限界がありそう。 また米国では今週FOMCが20日水曜日に予定されており、金利の変更は予定されていないが、声明でのインフレ・リスクや先行きの米経済に対する見方は重要で、その他経済指標でも、第2四半期経常収支、7月対米証券投資、8月生産者物価指数、8月住宅着工件数や8月景気先行指数と重要な指標が多く、気の抜けない週となっている。 
 個別材料では中国人民元関連では、現在の変動幅の0.3%を若干拡大する方向での調整との見方が強いが、もっと踏み込んだ内容とならない限りは、市場では失望感に晒されることだろう。 また8月対米証券投資は、予想が700億ドル台と先週の過去最大を更新した8月米貿易収支を上回る見込みで、こういった内容なら特にドル売りとはならない見込みだが、第2四半期経常収支の悪化は波乱材料で、直近緩い8月PPIや住宅関連指数の落ち込みが著しいケースやFOMCで思わぬ景気減速が示唆されるような状況と合わせて、ドルの押し下げ要因となるか注目しなければならない。 一方ユーロ圏では、ドイツ9月ZEW景況感調査が重要で、ユーロ圏としては唯一ユーロ相場の維持に貢献できるかが注目となり、英BOE議事録はサプライズ的な利上げ後のポンド相場で、11月の再利上げムードを煽れるかが注目される。 また自民党総裁選挙の行方は、市場でほとんど取り沙汰されることなく、既定路線であれば特段の材料とはならない見通し。 
 その他、ウェストミンスター系通貨では、カナダドルは先週の原油、金価格の下落から軟調な推移が継続しているが、テクニカル的には次の1.11−13のブレイクに注目される。 また先週急上昇したNZDドル相場は、今週の第2四半期経常収支がバック・ドロップ的な内容とならない限りは堅調な推移が想定され、オージー相場やクロス円相場と合わせて今後も起債絡みのビッドが下値を支えるか注目され、 ユーロ円やポンド円相場では一旦高値をつけた後の揉み合いから、高値と戻り安値のどちらへ離れるかが次の方向感となりそうだ。  
Weeky Outlook
Weekly Range
from 2006/09/11
 to 
2006/09/15

通貨ペア

Open

High

Low

Close

ドル円

116.94

118.15

116.61

117.57

ユーロドル

1.2677

1.2754

1.2631

1.2666

ポンドドル

1.8651

1.8919

1.8603

1.8812

ドルスイス

1.2476

1.2623

1.2394

1.2555

ドルカナダ

1.1093

1.1237

1.1121

1.1192

オージードル

0.7541

0.7568

0.7483

0.7531

NZDドル

0.6376

0.6651

0.6343

0.6624

ユーロ円

148.21

149.87

147.76

148.92

ポンド円

218.15

222.15

217.61

221.09

オージー円

88.16

88.98

87.77

88.47

NZD円

74.57

78.28

74.05

77.85

カナダ円

104.37

105.73

104.00

105.03

スイス円

93.76

94.76

93.18

93.64

週間の予定
from 2006/09/18
to 2006/09/22

9/18(月)=東京市場休場(敬老の日)、(英)9月ライトムーブ住宅価格指数、(ユーロ圏) 7月鉱工業生産・季調済、(加)7月国際証券取引高、(米) 第2四半期経常収支、7月対米証券投資、9月NAHB住宅市場指数

9/19(火)=(日)基準地価(国土交通省)、8月全国・東京都百貨店売上高、(仏) 7月経常収支、(独) 9月ZEW景況感調査、(ユーロ圏) 9月ZEW景況感調査、(加) 8月消費者物価指数、(米) 8月生産者物価指数、8月住宅着工件数、8月建設許可件数、(その他)ポールソン米財務長官訪中(21日まで)、IMF世界銀行年次総会、英10年物価連動債入札、ザルム蘭財務相2007年予算について記者会見、ゼネラル・エレクトリック・キャピタル豪ドル建て債(発行額2億9600万豪ドル)、STB Finance Cayman英ポンド建て劣後特約付永久社債(発行額5億ポンド)

9/20(水)=(英) BOE議事録、8月マネーサプライM4・速報、(加) 8月景気先行指数、7月卸売売上高、(米) FOMC政策金利発表、米週間原油在庫、(その他) 自民党総裁選挙、ハーパー加首相、NYエコノミッククラブで講演、ブラットナー・スイス中銀副総裁講演、独長期債償還(170億ユーロ)、スウェーデン地方金融公社NZドル建て債(5650万NZドル)、ノルウェー地方金融公社南ア・ランド建て債(発行額1億1500万ランド)

9/21(木)=(NZ) 第2四半期経常収支、(豪)8月RBA月報、(日) 8月通関ベース貿易収支、20年債入札、(スイス) 8月貿易収支、(ユーロ圏) 7月経常収支・季調前、(加) 7月小売売上高、(米) 週間新規失業保険申請件数、8月景気先行指数、9月フィラデルフィア連銀景況指数、(その他)福井日銀総裁全国証券大会において挨拶、英5年債入札、ドイツ復興金融公庫南ア・ランド建て債(発行額1億8812万ランド)


9/22(金)=(日) 第3四半期法人企業景気予測調査、週間対外及び対内証券売買契約等の状況、7月全産業活動指数、(仏) 8月消費者支出、 (ユーロ圏) 7月製造業受注


2006年09月11日
 先週の外国為替市場は、9月15日にシンガポールで開かれるG7を前に、円が相場の中心となった。 ただし、全体的にはドルの買い戻しが進み、クロス円中心の円高と言えるかもしれない。 そのためドル円相場自体は乱高下気味の展開となった。 
 個別ではドル円は、週初から日本の第1四半期法人企業統計の改善や人民元の一段高、週末の日銀金融政策決定会合後の福井総裁会見で強気の見通しが出るとの思惑から、117円を割り込んで一時115.57の安値まで下落したが、下値では本邦輸入企業の長期為替予約や米系のショート・カバーが値を支えた。 またミロー独財務次官が「次回G7では、円の弱さについて協議する見通し」とサプライズ的なコメントをしたことから、クロス円中心に相場は大崩となる局面もあったが、福井日銀総裁が日銀金融決定会合後に「金利水準調整、ゆっくり進める姿勢にいささかも変化ない」とコメントしたことで、117円近辺へ反発して引けた。一方ユーロドルは、ユーロ圏7月生産者物価指数が予想を上回ったことや米べージュブックが景気減速を示した内容となったことから、1.2875を高値に堅調な週前半の推移だったが、ユーロ円の売りやユーロドル自体のロング・ポジションが相当積みあがっていることもあり、週末にはポールソン米財務長官が「強いドルは国益」と発言したことや、イエレン米サンフランシスコ連銀総裁やピアナルト米クリーブランド地区連銀総裁が追加利上げの可能性を示唆したことで、 週末には1.2651の安値まで売り込まれて安値圏で引けている。 またポンドドルも、直近の堅調な相場も英MPCで金利が据え置かれたことで、1.9076から1.8628まで値を下げた。 その他ウェストミンスター通貨では、ドルカナダは、カナダ中銀が金利を据え置くも、その後の声明で景気の堅調さを示したことから週初は堅調な推移となったが、 8月雇用統計が悪化したことで、週末には久々の1.1209まで上昇した。 またこの処堅調だったNZDドルは、カレン・ニュージーランド財務相が「自国通貨高は減速傾向のニュージーランド経済にとってリスクだ」と述べたことで、0.6357まで値を下げた。 
 他方クロス円は、総じて円高と欧州通貨安のダブル・パンチから、 全てのクロス円が8月末の高値から一転して大きく値を崩す展開となった。 特にユーロ円は、150.36から147.56まで下落、 ポンド円も223.08から217.43まで大きく値を下げ、NZD円は、AUD/NZDの買戻しから76.92から73.99まで3円近く値を下げる展開となった。
  今週の経済指標としては、米7月貿易収支や米8月消費者物価に注目が集まるが、材料的にはインパクトが薄そうで、それより米要人発言が相次ぎ、ミネハン米ボストン地区連銀総裁、コーンFRB理事、プール米セントルイス地区連銀総裁、イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁、ホーニグ米カンザスシティー地区連銀総裁などの講演が予定されていることから、こういった連銀理事の米経済に対する見方やインフレ懸念発言には特別の注意を払っておきたい。 またポールソン米財務長官が「国際経済」について講演する予定だが、先週既に「強いドルは国益」と喋ってしまったので、今週同じ発言を繰り返してもあまり効果はなさそう。 それより先週ミロー独財務次官に端を発した「円安懸念」発言が尾を引いて、シンガポールG7での円安けん制発言や中国人民元に対するけん制発言がなどが、ドル円やクロス円の上値を抑えるのかは注目される。
 個別では、ユーロドルが1.26ミドルを維持できるかは最大の注目で、ドリシェECB総裁記者会見が金利先高感を維持できるかは注意して見ておきたい。 特にユーロドルでは、直近大幅なロングが出来ているとの見方が強く、1.26ミドルを割り込むなら更に大きなストップ・ロスを誘発する可能性が高く、1.25ミドルは方向のリスクとなる可能性が指摘されている。 一方ドル円では、115円ミドルの堅さと117円ミドルの上抜けがキーとなりそう。 特にクロス円では、ユーロ円の150.72、ポンド円の223.85の高値が本当に上値つきとなるのか、ユーロ円の147円前半、ポンド円の217円前半はキー・ポイントとなりそうで、こういった可能ブレイクが実現するなら、その他クロス円相場全体に影響を与えることから、今週のクロス円の動向には最大の関心を払っておきたい。  
 その他金融政策では、スイス中銀とNZ中銀の金融政策決定会合が予定されている。 NZ中銀は金利政策の変更がなさそうだが、スイス中銀の利上げの可能性は高く、スイスフラン相場には注意したい。 特にドル買戻しの流れに飲み込まれる可能性も高く、ドルスイス単体では若干厳しくも対クロスでのスイスフラン相場が堅調な推移となるかが注目され、ポンドスイス相場などでは、テクニカル的に2.35でダブル・トップをつけていることから、2.31前半のネック・ラインを割り込む展開となるかは注目したい。 また軟調なクロス円相場ではあるが、今週月曜日には、国際金融公社豪ドル建て債(発行額1億5700万豪ドル)、水曜日には、 国際復興開発銀行豪ドル建て債(9000万豪ドル)などの起債が予定されており、オージー円相場を支えるか注目している。
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2006/09/
08

通貨ペア

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ドル円

117.12

117.12

115.58

116.94

ユーロドル

1.2840

1.2875

1.2651

1.2677

ポンドドル

1.9055

1.9076

1.8628

1.8651

ドルスイス

1.2298

1.2508

1.2278

1.2476

ドルカナダ

1.1044

1.1209

1.1042

1.1205

オージードル

0.7668

0.7720

0.7531

0.7541

NZDドル

0.6555

0.6577

0.6357

0.6376

ユーロ円

150.37

150.36

147.56

148.21

ポンド円

223.08

223.08

217.43

218.15

オージー円

89.81

89.85

87.79

88.16

NZD円

76.75

76.92

73.99

74.57

カナダ円

105.92

105.92

103.96

104.37

スイス円

95.12

95.12

93.28

93.76

週間の予定
from 2006/09/11
to 2006/09/15

9/11(月)=(日) 第2四半期GDP・二次速報、第2四半期GDPデフレーター・二次速報、9月金融経済月報・全文、7月機械受注、(中) 8月CPI、(仏) 7月鉱工業生産、7月製造業生産指数、(英) 8月生産者仕入・出荷価格・季調済、8月生産者物価指数、7月貿易収支、(加) 8月住宅着工件数、(米) 第2・四半期米製造企業利益、(その他)自民党総裁候補討論会、日銀大阪支店長定例会見、BIS会合(バーゼル)、トリシェECB総裁が記者会見、ミネハン米ボストン地区連銀総裁が全米企業エコノミスト協会(NABE)の年次総会で講演、コーンFRB理事が講演、プール米セントルイス地区連銀総裁がNABE年次総会で講演、ASEM首脳会合(ヘルシンキ)、OPEC総会(ウィーン)、国際金融公社米ドル建て債(発行額5050万ドル)、国際金融公社ユーロ建て債(発行額2400万ユーロ)、国際金融公社豪ドル建て債(発行額1億5700万豪ドル) 

9/12(火)=(日) 8月企業物価指数・速報、8月消費者態度指数、(独) 8月卸売物価指数、(仏) 7月貿易収支、(英) 8月消費者物価指数、8月小売物価指数、(英) 7月景気動向調査、(ユーロ圏) 第2四半期経常収支、(加) 7月新築住宅価格指数、7月国際商品貿易、(米) 7月貿易収支、(その他)イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁が講演

9/13(水)=(NZ) 7月小売売上高指数、(日) 7月経常収支、7月貿易収支、7月鉱工業生産・確報、7月設備稼働率・確報、日銀金融政策決定会合議事要旨(8月10・11日分)、(独) 8月消費者物価指数、(仏) 8月消費者物価指数、(英) 8月失業率、8月失業保険申請件数、(加) 第2四半期設備稼働率、第2四半期労働生産率、(米) 8月月次財政収支、(その他)ポールソン米財務長官が「国際経済」について講演 、国際復興開発銀行豪ドル建て債(9000万豪ドル)


9/14(木)=(NZ) RBNZオフィシャル・キャッシュレート、(日) 週間対外及び対内証券売買契約等の状況、(仏) 第2四半期非農業部門雇用者・確報、(スイス) スイス中銀政策金利発表、 (英) 8月小売売上高指数、(ユーロ圏) 第2四半期労働コスト、(加) 7月製造業出荷、(米) 8月輸入物価指数、8月小売売上高、週間新規失業保険申請件数、7月企業在庫

9/15(金)=(NZ) 第2四半期製造業売上高、(日) 7月第3次産業活動指数、7月景気動向調査・改訂値、(スイス) 第2四半期鉱工業生産、(ユーロ圏) 8月消費者物価指数、7月貿易収支、(米) 8月消費者物価指数、9月NY連銀製造業景気指数、8月鉱工業生産、8月設備稼働率、9月米ミシガン大消費者信頼感指数・速報値、(その他)ホーニグ米カンザスシティー地区連銀総裁「12連邦準備銀行:その強み」について講演、米SLMコーポレーションユーロ円債(発行額300億円)

9/16(土)=G7(シンガポール)


2006年09月04日
 先週の外国為替相場は、夏休み最終週ということや材料が多いにも関わらず、相場は全体的に保合気味となった。 特に8月8日の金利引上げサイクルを停止した時のFOMC議事録では、「過剰引き締めのリスク抑制のために据え置き決定は適切」との見解が示されたが、ドル売りも限定的で、 8月米消費者信頼感指数、米第2四半期GDP、8月ISMM製造業景気指数や7月建設支出なども予想を下回り、注目の米コアPCE価格指数も横ばい的であったが、大きくドル売りに群がらず比較的ドルは堅調な動向の週となった。また週末の非農業部門雇用者数は、若干予想を上回った数字も決して強い数字とはなっていない。 
 個別では、ユーロドルは、ECB理事会で金利の据置が発表されたが、トリシェECB総裁が強いトーンを維持したことで、1.27ミドルの下値が支えられた。ドル円では、総じてクロス円の買いが下値を支えたが、上値は米国債償還・利金絡みの売りや本邦輸出企業の売りが上値を押さえ、中国が外貨預金準備率引き上げるとの報道もあって、117.50を越えることが出来ず狭いレンジでの推移となった。 またオセアニア通貨が堅調で、 特にNZDドルは、AUD/NZDの売りもあって、0.6355の安値から0.6569の高値をつけ、 NZD円も久々の77.10の高値まで上昇した。 一方クロス円は総じて強い上昇が実現して、今週早々からユーロ円は150円台へ突入。 一時達成感から149.02まで売り込まれるがも、その後150.72の高値をつけた。 またポンド円も223.85と直近高値を更新、ロート・スイス中銀総裁の「利上げ示唆」発言からスイス・フラン相場が堅調に推移したことからスイス円も95.69の高値をつけ、カナダ円もドルカナダがM&A絡みの売りに上値を抑えられ一時1.1034まで値を下げたことからも106.35まで上昇した。 
 今週は先週の比べて材料が薄く、米国では8月ISMM非製造業景況指数やベージュブックが注目される程度。 それよりも豪州、カナダ、英国、日本と金融政策決定会合が目白押しで、 こういった会合での利上げの有無や先行きの金利に対する見解や思惑に注目が集まると見られる。 ただし、実際に金利引上げが実施されると見込まれているものはなく、これに付随した見解や要人発言には注意しなければならない。 まず豪州は直近堅調な経済指標から、年内の利上げ期待が高まっており、豪州第2四半期GDPや8月失業率を受けて、こういった思惑が維持できるか? また英国では前回サプライズ的な利上げ後、経済指標にあまり強いものがなく、 今週発表される7月鉱工業生産指数や製造業生産高の経済指標を受けて、今後も継続的に利上げできるかどうかの問題。 日本では予想通りのCPIの数字から直近長期金利が弱含みを見せているだけに、金融政策決定会合後の福井総裁の記者会見では、金利に対する警戒発言が出るか大きな注目が集まっている。 特に直近強い上昇を実現しているクロス円相場が、こういった面で調整となるかどうかは、保合気味の相場展開を崩すキーとなるかは注意しなければならない。
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2006/09/01

通貨ペア

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ドル円

117.27

117.50

116.51

117.10

ユーロドル

1.2756

1.2880

1.2750

1.2840

ポンドドル

1.8887

1.9092

1.8881

1.9055

ドルスイス

1.2397

1.2397

1.2228

1.2298

ドルカナダ

1.1092

1.1129

1.1034

1.1044

オージードル

0.7573

0.7669

0.7565

0.7668

NZDドル

0.6367

0.6569

0.6355

0.6555

ユーロ円

149.61

150.72

149.02

150.33

ポンド円

221.29

223.85

220.96

223.10

オージー円

88.79

89.86

88.60

89.81

NZD円

74.66

77.10

74.49

76.65

カナダ円

105.75

106.35

105.04

106.04

スイス円

94.61

95.69

94.41

95.18

週間の予定
from 2006/09/04
to 2006/09/08

9/4(月)=トロント休場(レイバーデー)、米国休場(レイバーデー)、 (日) 8月マネタリーベース、4―6月期法人企業統計調査、(豪) 7月住宅建設許可、(ユーロ圏) 7月生産者物価指数、(その他)トリシェECB総裁が独仏文化賞を受賞、欧州議会会議(7日まで)

9/5(火)=(スイス) 8月消費者物価指数、(仏) 7月財政収支、(ユーロ圏) 7月小売売上高、(米)8月米企業人員削減数  

9/6(水)=(豪) RBAキャッシュ・ターゲット、第2四半期GDP、(英) 7月鉱工業生産指数、7月製造業生産高、(独) 7月製造業受注、(加) 加中銀政策金利発表、(米) 第2四半期非農業部門労働生産性、第2四半期単位労働費用、8月ISM非製造業景況指数、地区連銀経済報告(ベージュブック)

9/7(木)=(豪) 8月失業率、8月新規雇用者数、(日) 日銀金融政策決定会合(〜8日)、週間対外及び対内証券売買契約等の状況、7月景気動向調査・速報、(スイス) 第2四半期GDP、(ユーロ圏) ECB月例報告、(独) 7月鉱工業生産、(英) BOE政策金利発表、(加) 7月住宅建設許可、8月Ivey購買部協会指数、(米) 週間新規失業保険申請件数、7月卸売在庫、10年債入札条件、(その他)イエレン米サンフランシスコ地区連銀総裁が講演「米経済見通しと金融政策の意義」について、APEC財務相会合

9/8(金)=(豪) 7月貿易収支、(日) 日銀金融政策決定会合(7日〜発表)、8月マネーサプライM2+CD、8月景気ウォッチャー調査、福井総裁記者会見、9月金融経済月報・基本的見解、(スイス) 8月失業率、(独) 7月貿易収支、7月経常収支、(加) 8月失業率、8月雇用ネット変化率、(米) 7月消費者信用残高、8月米スペンディングパルス小売売上高確報値、(その他)APEC財務相会合


2006年08月28日
 先週の外国為替市場は、引き続き夏休みムードの揉み合い的な展開が継続したが、米7月中古住宅販売件数、7月耐久消費財受注や7月新築住宅販売件数等の米経済指標が、総じて悪い内容となったにも関わらず、ドルが小じっかりとした形で引けた。 ユーロドルは、ドイツの8月ZEW景気期待指数が予想を大きく下回りマイナスとなったことで、高値1.2904から売りに晒され、ロシアのパリクラブ早期債務返済のニュースや独IFO景況指数が若干予想を上回ったことから買い戻される局面もあったが、秋以降の金利引上げ期待が急速に萎み、 週末には1.2725の安値まで売り込まれて引けた。 ポンドドルは材料が薄い中、1.8821から1.8997のレンジで、 ポンド・クロスの買い圧力から総じて狭い範囲で小じっかりの推移となった。 またドル円は、週初は売り遅れの輸出のオーダーが上値を抑える展開が続いたが、115.35を下値に本邦輸入企業の買いが下値を支え、 週末の7月の消費者物価指数が落ちついた数字となったことで、年内の日本の利上げが遠のいたとの見方が強まり、週末には117.41まで急上昇して117円台でNY市場を引けた。その他目立った処では、カナダ7月消費者物価指数や7月景気先行指数の改善を受けたドルカナダが、一時狂牛病のニュースで売られる局面もあったが、M&Aフローの思惑が上値を押さえ1.1259から1.1050まで軟調に値を落とした。
 一方クロス円では、総じて金利差からの円売り地合が継続した。 特にユーロ円は乱高下気味の神経質な展開が継続したが、サイコロジカルな150円を目指す投機的な動向が強まり、148.42から149.81の高値まで上昇した。 ユーロ円の150円では大量のノータッチ・オプションの防戦が噂されており、150円を超えると数千本のストップ・ロスが出るとの思惑が短期筋の注目を集めている。 また高値圏での保合を継続していたポンド円も221.65と今年の高値を更新し、スイス円も94.92の高値をつけ、NZD円も74.73の高値へ上昇したが、オージー円は、AUD/NZDの売り圧力から87.72から89.18での揉み合い的な推移となり、ドルカナダが久々に下落傾向を強めたことから、カナダ円は昨年来の高値を更新して106.06の高値をつけた。
   今週の外国為替は、経済指標の発表が多く、月末を控えて夏休みボケした市場で、大きな流れが現れるか注意しなければならない週となりそうだ。 特に注目されるのは火曜日のFOMC議事録(8月8日)と金曜日の米雇用統計に尽きるが、FOMC議事録の発表では、今回はFRBが2年以上に及ぶ利上げサイクルを停止した時の内容となることから、どういった経緯でFRBが金利を据え置いたのかが明らかになることもあって、特に注目しなければならない。 またその他でも、米第2四半期GDP、第2四半期個人消費、7月個人所得・支出、7月PCEコア・デフレータなどインフレに絡む数字の発表も多く、更に今週はバーナンキFRB議長、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁、プール米セントルイス地区連銀総裁などの講演が控え、米国の早期再利上げの可能性を測る上でも重要となりそうだ。 
 その他ユーロ圏では、先週のドイツZEWやIFO指数から、急速に失望感が高まっているが、年内の利上げの有無を見る上で、欧州中銀金融政策発表での利上げ期待はないものの、トリシェECB総裁の発言には注意しておかなければならない。 また日本では先週CPIが落ち着いたことから、年内の利上げ期待が急速に遠のく形となったが、今週は火曜日の失業率の数字には注目しておきたい。 しかしながら、それであっても引き続き金利差を狙った円売り圧力が強く、特にクロス円の動向には注意しなければならないが、このリーダーシップを取るユーロ円の150円トライが来週の最大の注目となろう。 現状この到達はほぼ100%間違いなとの見方が大勢だろうが、150円タッチ後のユーロ円の動向には注意しなければならない。ここでピークをつけるのか、更に上値を拡大するのかは今後のクロス円の動向を占う上で重要と見られる。 
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ドル円

115.79

117.41

115.35

117.27

ユーロドル

1.2829

1.2940

1.2725

1.2754

ポンドドル

1.8816

1.8997

1.8821

1.8875

ドルスイス

1.2324

1.2425

1.2183

1.2397

ドルカナダ

1.1254

1.1259

1.1050

1.1092

オージードル

0.7593

0.7669

0.7551

0.7573

NZDドル

0.6395

0.6428

0.6330

0.6367

ユーロ円

148.55

149.81

148.42

149.56

ポンド円

217.85

221.65

217.70

221.29

オージー円

87.92

89.18

87.72

88.79

NZD円

74.07

74.73

73.78

74.66

カナダ円

102.88

106.06

102.74

105.75

スイス円

93.90

94.92

93.90

94.61

週間の予定
from 2006/08/28
to 2006/09/01

8/28(月)=ロンドン休場(サマー・バンク・ホリデー) 、(ユーロ圏) 7月マネーサプライM3・季調済、(その他)御手洗日本経団連会長講演

8/29(火)=(日) 7月失業率、7月有効求人倍率、7月全世帯家計調査・消費支出、(独) 9月GFK消費者信頼感調査、(米) 8月消費者信頼感指数、FOMC議事録(8月8日)、米財務省2年債入札、(その他)フィッシャー米ダラス地区連銀総裁、「FRBとテキサス州」講演

8/30(水)=(NZ) 7月住宅建設許可、(日) 7月大型小売店販売額・速報、7月小売業販売額・速報、(豪) 7月小売売上高、(英) 7月マネーサプライM4・確報、7月消費者信用残高、(スイス) 8月KOF先行指数、(加) 7月鉱工業製品価格、第2四半期経常収支、(米) 8月ADP全国雇用者数、第2四半期GDP、第2四半期個人消費、8月米スペンディングパルス小売売上高速報値 、米財務省5年債入札、(その他)フィッシャー米ダラス地区連銀総裁が商工会議所で経済について講演、ノルウェー地方金融公社南ア・ランド建て債(発行額1億4562万ランド)、ノルウェー輸出金融公社メキシコ・ペソ建て債(発行額1億1513万ペソ) 

8/31(木)=(仏) 7月失業率、7月失業者数変化、(日) 7月鉱工業生産・速報、週間対外及び対内証券売買契約等の状況、外国為替平衡操作の実施状況、(独) 7月小売売上高指数、8月失業率、8月失業者数、(英) 8月GFK消費者信頼感調査、(ユーロ圏) 8月消費者物価指数・速報、欧州中銀金融政策発表、トリシェECB総裁記者会見、(加) 6月GDP、第2四半期GDP、(米) 7月個人所得、7月個人支出、7月PCEコア・デフレータ、週間新規失業保険申請件数、7月製造業受注指数、8月シカゴ購買部協会景気指数、7月米求人広告指数 、(その他)バーナンキFRB議長、サウスカロライナ州の経済地域発展評議会で討議に参加、バーナンキFRB議長、生産性について講演(同評議会、プール米セントルイス地区連銀総裁が「FRBの理解」で講演、国際復興開発銀行豪ドル建て債(1700万豪ドル)、ノルウェー地方金融公社米ドル建て債(発行額2500万ドル)

9/1(金)=(豪) 第2四半期経常収支、(スイス) 8月SVME購買部協会景気指数、(ユーロ圏) 7月失業率、第2四半期GDP・季調済、(米) 8月失業率、8月非農業部門雇用者数、8月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値、7月建設支出、8月ISM製造業景況指数、7月中古住宅販売保留、8月米自動車販売台数、(その他)バーナンキFRB議長、サウスカロライナ州授与式で受諾スピーチ、フランス社会保障基金豪ドル建て債(発行額4300万豪ドル) 


2006年08月21日
 先週の外国為替市場は、全くの夏休み相場からレンジ的な揉み合いとなった。米国では、8月フィラデルフィア連銀景気指数が予想を上回ったことを除くと、7月生産者物価指数、7月消費者物価、7月景気先行指数、8月ミシガン大消費者信頼感指数などが予想を下回り、前回FOMCでの金利の据置を裏付けるような経済指標が多く、ドルの上値を圧迫した。一方欧州では、英7月消費者物価指数や英7月小売売上高が予想を下回り、英中銀金融政策委員会議事録の内容もタカ派的とは言えず、サプライズ的な利上げ後のポンド相場に失望感を与えた。 またユーロドルは、特別の材料がなく、ほぼ1.27−1.28のレンジで単体での方向感に薄い相場展開となり、ドル円では、週初に東京の一部で停電があり、騒然とする瞬間もあったが、お盆休みで閑散な取引の中、上値は本邦輸出企業の予約や米国債利払い絡みの投資家の売りから116.75で上値を抑えられ、 下値は本邦輸入企業の買いやキャリー・トレード絡みのクロス円の買いに支えられながら115円台をキープするも、FT紙の記事による「本邦投資家が海外資産を引上げている」との思惑や週末には中国の金利引上げから、中国人民元の変動率拡大容認観測から116円台を重くした。 ドル円相場では例年8月は円高月との思惑が交錯して、9年連続で円高で終わるか注目されている。(8月1日のオープンは114.67となっている)
 その他では、レバノン停戦を受けて地政学リスクが後退したことで、原油や金価格が軟調に推移したことから、オージー相場やカナダ相場は、揉み合い気味も軟調推移となったが、AUD/NZDの売りからNZドル相場は堅調に推移した。 クロス円では、日銀金融政策委員会の議事録の内容から、急速な利上げはないとの見方が強く、キャリー・トレード意欲が大勢で堅調な推移となったが、ユーロ円は149円のオプション・トリガーを付けらずに、147.90から148.94の1円幅での揉み合いに推移し、ポンド円は220.57と今年の高値を更新したが、更なる利上げに対する失望感から217.47まで値を崩した。 またオージー円は、引き続き利上げ期待が強く89.36の高値をつけるも、オージードルが0.77台で上値を抑えられたことで、週末には87.67まで値を崩し、NZD円は、悪材料に薄く、73.19から74.49まで堅調な上昇となった。
 今週は引き続き夏休み相場で閑散な取引が想定されるが、先週悪化した米経済指標から、米住宅関連の指標が米経済の減速感を強めるかが注目される。 特に8月8日のFOMCで金利据置が決定された後も、ドル相場は思ったより堅調な推移となっており、これは米経済に対するソフト・ランディング的な楽観論が未だ根強く残っている結果と言えるかも知れない。 こういった楽観論が覆されるような状況となるかは、今後の経済指標如何となるが、先週のインフレ指標が緩んでいることは注目される。 秋以降の米中間選挙を前にした相場を見る上でも、今後のインフレ指標には最大の注目をしていかなければならないだろう。 また久々の登場となる金曜日のバーナンキFRB議長の講演は、講演内容的には金利に対する発言があるかは不透明も市場の思惑を買う可能性が高く注意しなければならない。 その他ではこの処ポンド相場に主導権を握られて、静かなユーロ相場では、直近悪い数字が継続しているドイツの8月ZEW景況感調査と8月IFO景況指数は、最近ユーロの利上げ話が遠のいているだけに、こういった数字がユーロの利上げ期待の再燃となるかは注目したい。 また先週日銀金融政策決定会合議事録で、金利の先高感が後退気味のドル円相場では、7月全国CPI,8月東京都CPIが唯一材料となるが、期待感に薄い。 それより直近新に浮上した北朝鮮の核問題で、更なる材料が出てくるかは注意しなければならない。 
 一方クロス円相場では、金利差に着目した円売りが引き続き人気をはくしているが、昨年なども9月以降団塊の世代の高額な退職金を期待した外貨投信が人気を集めたが、今年も9月以降こういった起債が高水準となるかは注目される。 個別ではユーロ円相場の150円は大きな抵抗となりそうだが、どこまで上値を拡大できるか非常に興味深く、 ポンド円では先週220.57の高値から調整気味だが、これが高値つきとなるかはユーロポンド相場の動向に注目したい。 また先週堅調であったNZD円、オージー円相場では、金曜日にNZD建て、オージー建ての起債が予定されており、こういった買いが下支えするかが注目される。
Weeky Outlook
Weekly Range
from 2006/08/14
 to 
2006/08/18

通貨ペア

Open

High

Low

Close

ドル円

116.31

116.75

115.19

115.79

ユーロドル

1.2726

1.2887

1.2695

1.2829

ポンドドル

1.8906

1.9024

1.8777

1.8816

ドルスイス

1.2428

1.2445

1.2238

1.2329

ドルカナダ

1.1280

1.1319

1.1143

1.1254

オージードル

0.7664

0.7701

0.7563

0.7593

NZDドル

0.6334

0.6442

0.6275

0.6395

ユーロ円

148.00

148.94

147.90

148.55

ポンド円

219.82

220.57

217.47

217.85

オージー円

89.12

89.36

87.67

87.92

NZD円

73.66

74.49

73.19

74.07

カナダ円

103.40

103.85

102.73

102.88

スイス円

93.58

94.39

93.58

93.85

週間の予定
from 2006/08/21
to 2006/08/25

8/21(月)=(スイス) 7月生産者輸入価格、(ユーロ圏) 6月貿易収支、(加) 6月小売売上高、(その他)ASEAN財務相会合 

8/22(火)=(日) 6月全産業活動指数、(スイス) 7月貿易収支、(仏) 第2四半期GDP、(独) 8月ZEW景況感調査、(ユーロ圏) 6月経常収支、8月ZEW景況感調査、6月製造業受注、(加) 7月消費者物価指数、(その他オ)グイン米アトランタ地区連銀総裁が講演「米経済と金融制度の推移について」、モスコウ米シカゴ地区連銀総裁が講演 

8/23(水)=(日) 7月通関ベース貿易収支、(加) 7月景気先行指数、(米) 7月中古住宅販売件数

8/24(木)=(NZ) 7月貿易収支、(日) 週間対外及び対内証券売買契約等の状況、7月企業向けサービス価格指数、(独) 第2四半期GDP・確報、第2四半期個人消費・確報、8月IFO景況指数、(米) 7月耐久財受注、週間新規失業保険申請件数、7月新築住宅販売件数、(その他)米財務省2年債・5年債入札条件、トヨタ・モーター・クレジット・ユーロ円債(100億円)

8/25(金)=(日) 7月全国消費者物価指数、8月東京都区部消費者物価指数、(独) 8月消費者物価指数・速報、(英) 第2四半期GDP、第2四半期個人消費、(その他)バーナンキFRB議長が講演「世界経済統合について」、 米州開発銀行NZドル建て債(発行額4億1900万NZドル)、米州開発銀行豪ドル建て債(発行額1億4300万豪ドル)


2006年08月07日
 先週の外国為替市場は、週初はECB理事会や米雇用統計を前にポジション調整的なドルの買戻しとなったが、ECB理事会では予想通りの利上げとなったが、トリシェECB総裁が更なる利上げを示唆したことやサプライズ的に英中銀が利上げを実施したことで、ドル売りとなり、更に週末の予想より悪い米雇用統計がドル安に追い討ちをかけた。 FF金利先物市場では、8月8日のFOMCを前に利上げの織り込み度は15%まで低下した。 ユーロドルは、1.2720から1.2910まで堅調な上昇となり、特にポンドドルは利上げが市場の予想外であったことから、1.9130の高値と今年5月のレベルを上回った。 またドル円は、中国人民銀行が「中国は人民元の柔軟性を拡大させる」と発表したこともあって、人民元問題が引き続き上値を押さえ、114円台の揉み合いから115.55を高値に、一時113.97まで値を落とした。 一方クロス円は、簡保や機関投資家の買いが下値を支えて、総じて堅調な推移となったが、ユーロ円は高値警戒感から145.74から147.75での揉み合い推移、ポンド円はユーロポンドの売りもあって、直近上値を216円ミドルで抑えられていたレベルを上抜け一時218.52まで上昇した。 また豪州準備銀行が利上げを決定したオージー円は、ほぼ織り込まれていた面が強く、87円台で揉み合いに終始し、NZD円も70.38から71.61で、投機的な売りが遠のいた形となった。
  今週の最大の注目はなんと言っても、8日火曜日のFOMCだが、利上げサイクルの停止が決定されるか、それとも未だ利上げを継続するかは、今後の夏場以降の相場に大きな影響を投げかける可能性があり、特に注意しなければならない。 現状利上げの織り込み度は一時の50%前後から15%程度に下落しており、 直近のFOMC議事録からは大分「利上げ無し」を織り込みつつある。 ただし、こういった決定はバーナンキFRB議長を中心としたFOMCメンバーの意向次第で、実際あれこれ詮索することは意味がないが、一旦停止を決定すれば、最低年内は更なる追加利上げの可能性がなくなることからは、金利差が中心に動いているマーケットで、大きなドル安への転換点となる可能性も否定できない。 一方利上げが引き続き継続されても、現状は次なるFOMCへ向けて、利上げ停止の思惑が交錯する可能性や直近発表の米雇用統計やGDPに見られるように、減速傾向が見られる米経済のオーバーキル懸念からは、 ドルの上値を抑える要因となる懸念も残り、短期的にドルが買い戻される局面はあっても、根底ではドル売りの流れは変わらないのではないかと思われる。未だ市場の洗練を受けていないバーナンキFRB議長に、その手腕を試すべき試練が訪れるか注目したい。 
 個別では、米国で10日木曜日に6月貿易収支の発表がFOMC後の相場に若干の影響を与える程度か? 欧州圏では、既に利上げが決定されたことから、あまり経済指標にインパクトがあるとは思われないが、 秋以降利上げスピードが鈍るとの思惑が出ているだけに、独の7月卸売物価指数、消費者物価指数などは一定の注目をしておきたい。 また日本では、今週材料が多いが、日銀金融政策決定会合では、特段の変更が実施される可能性は低く、円単独での材料が出るとは見えないが、やはり秋以降の追加利上げに関して、市場が比較的楽観的であることから、7月消費者態度指数や第2四半期GDP・一次速報値などサプライズ的な結果が出るようなら注意しなければならない。 
 その他では、今週FOMC前後に米国債の四半期定例入札が予定されている。 総額は440億ドルと前期を100億ドル程度上回る数字となるが、同時に15日には、利払いが220億ドル程度予定されており、例年8月は利払いの円転ニーズからドル安に進み易いので注意。 また先月高水準であったユーロ債の償還は、7月の681億ユーロから153億ユーロに急減し、引き続き利払いと発行を含めたユーロ売り要因は継続するが、資金還流額は前月の300億ユーロから62億ユーロに減少することから、ユーロ圧力が緩和されるので、特にユーロ円相場などでは、ユーロ高が実現すると150円が視野となるか注目される。 また先週サプライズ的に利上げを決定した英ポンド相場では、9日水曜日のBOE四半期インフレ・レポートなどで、強気がコンファームされるとドル安相場の先導役となり易いので、フレッシュなポンド相場の動向には目が離せない。特に夏休み相場と言えども、方向感の変化ではしっかりとストップを入れての対応が良い週となりそうだ。 
Weeky Outlook
Weekly Range
from 2006/07/31
 to 
2006/08/04

通貨ペア

Open

High

Low

Close

ドル円

114.64

115.55

113.97

114.45

ユーロドル

1.2761

1.2910

1.2720

1.2876

ポンドドル

1.8631

1.9130

1.8620

1.9067

ドルスイス

1.2326

1.2369

1.2192

1.2231

ドルカナダ

1.1317

1.1373

1.1220

1.1273

オージードル

0.7673

0.7684

0.7585

0.7655

NZDドル

0.6176

0.6266

0.6155

0.6252

ユーロ円

146.28

147.75

145.74

147.36

ポンド円

213.66

218.52

212.97

218.34

オージー円

87.99

87.99

87.20

87.59

NZD円

70.81

71.61

70.38

71.55

カナダ円

101.34

102.52

101.21

101.55

スイス円

93.01

93.75

92.65

93.55

週間の予定
from 2006/08/07
to 2006/08/11

8/7(月)=シドニー市場休場(バンクホリデー)、トロント市場休場(市民の日)、(日) 7月末外貨準備等の状況、6月景気動向調査・速報、(スイス) 7月失業率、(英) 6月鉱工業生産指数、6月製造業生産高、(米) 6月消費者信用残高、(その他)アライアンス&レスター AL.L ユーロ円債(発行額500億円)、ノルウェー地方金融公社米ドル建て債(発行額7200万ドル)、米3年物国債入札(210億ドル) 

8/8(火)=(日) 7月マネーサプライM2+CD、7月景気ウォッチャー調査、(独) 6月貿易収支、6月経常収支、6月鉱工業生産、(加) 6月住宅建設許可、(米) 第2四半期非農業部門労働生産性、第2四半期単位労働費用、FOMC政策金利発表、(その他)ドイツ復興金融公庫グローバル円債(500億円)

8/9(水) =シンガポール市場休場(ナショナルデー) 、(日) 6月機械受注、(仏) 6月財政収支、(英) 6月貿易収支、BOE四半期インフレレポート、(加) 7月住宅着工件数、(米) 6月卸売在庫、(その他)米10年物国債入札(130億ドル)

8/10(木)=(NZ) 第2四半期失業率、(豪) 7月失業率、7月新規雇用者数、 (日) 日銀金融政策決定会合(〜11日) 、7月企業物価指数・速報、6月貿易収支、6月経常収支、週間対外及び対内証券売買契約等の状況、7月消費者態度指数、(独) 7月卸売物価指数、(仏) 6月鉱工業生産、6月製造業生産指数、6月貿易収支、(ユーロ圏) ECB月例報告、(加) 6月新築住宅価格指数、6月国際商品貿易、(米) 6月貿易収支、週間新規失業保険申請件数、7月月次財政収支、(その他)りそな銀行英ポンド建て劣後特約付き永久社債(4億ポンド)、米30年物国債再入札(100億ドル)

8/11(金) =(豪) 6月貿易収支、(日) 日銀金融政策決定会合(10日〜発表) 、第2四半期GDP・一次速報、第2四半期GDPデフレータ、6月鉱工業生産・確報、6月設備稼働率・確報、8月金融経済月報・基本的見解、(独) 7月消費者物価指数、(仏) 第2四半期GDP、7月消費者物価指数、(米) 7月輸入物価指数、7月小売売上高、6月企業在庫、(その他)オーストリア輸出銀行米ドル建て債(8550万ドル)